第39回 むくみについて

年が明けたと思っていたら、あっという間に1月も終わってしまいました。コラムを楽しみにしていただいていた方、ずいぶんサボっていて申し訳ありませんでした。このホームページを管理してくれている会社も新しくなって、移行作業の間コラムの更新が滞っていました。以前のホームページと少し変わったところに気がつきましたか?
 そう、左下にあったアクセスカウンターがなくなったのです。小さな変化ですが、気がつかれたでしょうか?
 さて、最近からだの "むくみ"特に下肢の"むくみ"を訴える方が多く、"何でですか?"とよく聞かれます。"むくみ"の原因は様々で、恐ろしい病気の一症状であることもありますし、まったく気にする必要のないものまであります。
 一番多いのは、自然経過としての"むくみ"で夕方になると浮腫んでくるというものです。人間の体は、体重の60%くらいが水分から出来ています。(新生児で70%、大人で55-60%)水分は、重みがあるので1日生活していると徐々に重力の関係で下へ下へと降りてきます。人間にとって一番下というのが下肢ですから、両下肢が一番水分の溜まりやすい場所になります。足の向こう脛を押してみるとぺこんとへこむことがありますか?あれば、それが"むくみ"です。昔から、靴を買いに行くのは夕方に、と言われているのは、夕方に一番足が浮腫むからです。若い時分は、足も筋肉が多く水分が溜まる空間が少ないため実際には目立ちませんが、歳をとってくると筋肉量は減り、結合組織の占める割合が多くなるため、水分は足の血管以外の組織の中に逃げやすくなります。このような生理的な"むくみ"は、夜横になって寝ることで水分がまた上半身に戻っていきますので、朝になればなくなります。このように朝になくなってしまう"むくみ"はまず心配いらない"むくみ"と考えられます。
 また、家でごろごろしている方、歩かない方は、更にこの傾向が強くなります。歩くという運動は、実は下に降りてきた水分を上に押し返すという仕事をしています。最近、足の裏、ふくらはぎなどは第2の心臓と言われ、歩くことで足底が押されたり、ふくらはぎの筋肉が収縮することで、下肢に滞った血液、水分を上へ押し上げてくれることが明らかになってきました。寒いからと家でコタツの中で丸くなっているのはご法度です、セーターを着込んで散歩に出かけましょう。歩くときも、とぼとぼと下を向いて歩かず、胸を張って大股に少し息が弾むくらいのスピードで歩くとふくらはぎもよく収縮し、足底も刺激されて血液の循環が良くなります。
 とはいえ、腰が痛くて歩けない、様々な事情で歩くことができない方、そんな方でも椅子に座ったままで足踏みをする、ふくらはぎをマッサージする、足首を回すなどでかなり解消できるはずです。私は、NHKのテレビ体操が個人的にはとても気に入っています。
 しかしながら、すべての"むくみ"がこのようなものではありません。顔が浮腫む、片方の足だけが浮腫むなどは、心臓の機能低下、腎臓の機能低下、ホルモン異常や血栓など放っておいてはいけない病気のサインということがあります。それを見極めるのは我々の仕事ですので、心配でしたら気軽に質問していただければお答えいたします。