前立腺の病気
前立腺肥大
内容
男性には、膀胱の直下に精液を作る前立腺という臓器があります。
若いころは、くるみ大の大きさですが、年をとると次第に大きくなっていきます。
そのため、中を貫く尿道が圧迫されることで、便器の前に立っても、なかなか尿が出てこない、尿の勢いが弱くなる、などの症状が起こります。
また、膀胱を下から押し上げて刺激することで残尿感、尿意の切迫感などの症状が出ます。1995年WHO(世界保健機構)によって作られたI-PSS(国際前立腺症状スコア)を載せています。これは、世界共通のもので一度ご自分で、問診に答え、合計点を出してみてはどうでしょう。
8点以上またはひとつでも4点以上の項目があれば前立腺肥大の可能性があります。
専門医で診察を受けることをお勧めします。
検査
検尿を行い、尿に白血球が出ていないか(尿に感染がないか)調べます。
また、前立腺の触診を行い、前立腺の大きさや硬さを調べます。
血液検査で他に病気がないか前立腺癌が隠れていないかさらに詳しく調べます。
尿流量検査(装置のいている便器に排尿していただきます)の後、超音波検査で残尿の有無、腎臓に異常がないか検査します。
治療
第一選択はアルファブロッカーといわれる経口薬です。
この薬で、かなりの症状が取れますが、頻尿などの症状が取れない場合、他の経口薬を加えて服用していただくことがあります。
経口薬で症状が取れない場合、または残尿量が多く医学的に薬物治療では難しい場合、外科的治療の選択になります。
外科的治療はいろいろな方法がありますが、ゴールデンスタンダードは経尿道的前立腺切除術といわれる内視鏡手術です。
約2週間の入院が必要です。
前立腺炎
内容
膀胱直下の前立腺に炎症が起きることで下腹部から陰嚢内、大腿にかけ様々な症状が起こります。
また、急な発症、強い症状を起こす急性前立腺炎、緩徐な発症で不快感、重圧感を主の症状とする慢性前立腺炎があります。
急性前立腺炎
股間から腰部にかけて重痛い感じ、排尿時痛、排尿困難と38度以上の発熱などの症状が出ます。
慢性前立腺炎
下腹部の不快感、腿の付け根のつっぱり、股間の痛み、睾丸の痛み、など様々です。
痛くて痛くてというより気になって仕事が手に付かないというような場合が多いようです。
検査
検尿で尿に白血球が出ていないか(尿に汚れがないか)調べます。また、痛みの場所が腫れていないか、前立腺炎に特徴的な場所か触診します。
また、前立腺を触診して痛みがないか(炎症所見がないか)調べます。
治療
抗生剤の内服から開始します。痛みが強いときは痛み止めを併用してもらいます。